英語でコミュニケーション+α

英語でのコミュニケーションを学ぶ上で私自身が経験したことや学んだこと、見聞きしたことなどについて書いています。

パブリックスピーキングの基礎:構成「トピカルパターン」②

※本ブログにおいて、英語=米語です

 

前回のブログで書いたオーディエンスの心を掴むイントロダクションの書き方、今回はその続きです。

 

1.  Introducionの構成:スピーチ全コンテンツ量の10〜20%程

  • Attention Getter
  • Credibility Statement(必要なときのみ)
  • Motivational Statement ←いまここ
  • Preview Statement


Motivational Statement
:イントロの中でAttention Getterの次に大事です。オーディエンスの「聞きたい心」に火をつけたり高めたりするのはスピーカーであるあなたの役目です。オーディエンスの注意を引き、あなたの話を聞くとで「自分にとって何か重要なこと」が聞けそうだ、と言うワクワク感を提供します。オーディエンスにとって興味深いことが聞けそうだと期待を持たせるのに以下のような感情に訴えると効果的です。

  • Safety(安全・安心)
  • Fear(恐怖)
  • Power, control, influence(影響力)
  • Self-esteem(自尊心)
  • Achievement(達成心)
  • Curiosity(探究心)
  • Approval(承認欲求
  • Financial gain(経済的利益
  • Self-actualization(自己実現心)
  • Status(ステータス)

例えば:

  • Power, control, influence & Achievement:Your voice can either hurt or help your professional image. The best speaking voice improves your credibility, likability, and sociability and will help you maximize your true potential at professional settings.

Preview Statement:これから話すスピーチやプレゼンの内容を掻い摘んで示します。概要を提供することでオーディエンスの心と頭の準備を整え、メッセージがより浸透しやすくします。Preview Statementを書く上で気に留めたいのが:

  • S+V+O and/or Cの完全文であること
  • サブアイデアは複数可だが、包括的なメインアイデア(メインメッセージ)は1つであること
  • 実際のスピーチ、プレゼン内で登場していく順番通りにPreview Statementでもサブアイデアも紹介すること
  • Attention Getterから続くイントロ全体のロジックの流れに沿っていること

ポイント!:効果的なイントロでオーディエンスの心を掴むことが英語パブリックスピーキングの成功への第一歩。

さて、イントロの4つの構成パーツは必ずしも全くセパレートな文章である必要はなく、組み合わせることも可能です。

例えば・・・

  • How would you like to have the best vacation of your life?

という文はAttention GetterとMotivational Statementの役割2つを担っています。また、Motivational StatementとCredibility Statementはどちらが先に登場しても問題ないので効果的だと思う方を選びます。

 

イントロサンプル

トピック:ゴールデンウィーク

スピーチの目的:To inform

オーディエンスについて:ゴールデンウィークを前にしてまだ何をしようかと模索中の2〜12歳までのお子さんを持つ30〜45歳くらいまでのお父さん達

メインメッセージ:To imform my audience of the ways to make the Golden Week fun and exciting experience

イントロ:On May 12th, 2015, I met this dad who had just spent his entire Golden Week with his family.  He looked exhausted and drained of his physical and mental power.  Then, he shared real horror he experienced during the previous week (Attention Getter).  

Welcome to the lifesaving opportunity! You now have the chance to have the best Gold Week, one that is more exciting, more fulfilling and more satisfying.  (Motivational Statement).  

I'm a dad just like you and have 13 years old boy twins. As a family, we have experienced 12 Golden Weeks (Credibility Statement).

The formula for making your Golden Week fun and wonderful is actually very simple. You need a plan, the ability to accept challenges and unexpected surprises, and the desire to explore your passion and interests   (Preview Statement).

 

次はBodyです。

 

参考:North, Marjorie L. "Fundamental of Public Speaking." Harvard Extension School, Cambridge. Aug. 2011 - Dec. 2011. Class

 

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パブリックスピーキングの基礎:構成「トピカルパターン」①

※本ブログにおいて、英語=米語です

 

前回のブログでは、「パブリックスピーングの目的は主に、①情報をシェアする、②人の心を動かすの2つです」と書きました。今回はそのうち①の情報をシェアするに効果的なスピーチ構成パターン「トピカルパターン」を紹介します。


トピカルパターンの基本構成

  1. Introduction:スピーチやプレゼン成功の50%を決めると言っても過言ではないほど大事な箇所です。効果的なIntroductionとは、序盤でオーディエンスの心をがっちり掴み、トピックについてのワクワク感を提供し、さらに話を聞き続けるモチベーションを与えます。
  2. Body:Introductionで引き付けたオーディエンスの興味を逃さないようシンプルでロジカル、オーディエンスに最も理解し易い形で情報を届けます。
  3. Conclusion:スピーチ成功の25%を決める大事な部分です。効果的なConclusionとは、Bodyの内容を簡単に復習し、スピーチを包括的にまとめたファイナルメッセージを発信します。

ライティングの基本構成と同じです。ただ、それぞれの3部分は更に細かい構成パーツに分かれます。

1.  Introducionの構成:スピーチ全コンテンツ量の10〜20%程

  • Attention Getter
  • Credibility Statement(必要なときのみ)
  • Motivational Statement
  • Preview Statement

Attention Getter:いわゆる「掴み」と言うやつです。スピーチやプレゼンの始まりでまだスピーカーに集中しきれていない気持ちを一気にスピーカーに向けさせます。

オーディエンスの注意を引くのに効果的なものをいくつか紹介します。

  1. 驚きの統計情報
    例えば・・・The biggest cause of bankruptcy in the United States, representing 62% of all personal bankruptcies, is medical expenses (2013).

  2. 著名人の発言を引用
    Either write something worth reading or do something worth writing." Ever since I first heard this quote by Benjamin Franklin, I have lived my life trying to do something worth writing every day.

  3. インパクトのある絵や写真
  4. 質問
    What is the first thing that comes to your mind when you see this picture?

    f:id:NatsumiSatoh:20170616114822j:plain

他にも、物語を話すように始めたり、今話題のトレンドやイベント、ニュースなどを取り込んだ一言始めることもできます。

Attention Getterはその名の通り、オーディンスの注意を引くことを目的としているため、その逆、つまりオーディンスがあっという間に興味をなくすような出だしは避けたいです。その代表格たるものが:

  • Today, I'm going to talk to you about...
  • My topic is...
  • Topcis for my talk today include...
  • I'm going to tell you about...

決して間違っているわけではないのですが、あまりに使い古されていて非常につまらない印象しか与えません。これでは、「面白い話をするから話を聞いてー!」とは真逆の役目をしてしまいアテンションをゲットすることはできません。

Credibility Statement:あまりあなたのことを知らない人がオーディンスに多くいる場合に、あなたがそのスピーチトピックに関して十分は知見を有してることや精通していることを示す内容を加えます。例えば:

  • 個人の経験:I've gone to camping many times since I was 4 years old.
  • 学位:I studied entomology for 6 years and have a bachelor and master from ABC university.
  • プロとしての実績:I've been a president of the prestigious organization for 12 years. 

ただし、上から目線になり過ぎたり高慢になり過ぎたりしないよう気をつけます。

イントロは長いので2回に分けます。次は、Motivational StatementとPreview Statementについてです。

 

参考:North, Marjorie L. "Fundamental of Public Speaking." Harvard Extension School, Cambridge. Aug. 2011 - Dec. 2011. Class

 

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パブリックスピーキングの基礎

スピーチ/プレゼンを組み立てる

プレゼンやスピーチなどのパブリックスピーキングには大きく3つのタイプがあります。

  1. Impromptu:特に事前の準備なしに行う即興スピーチ
  2. Extemporaneous:入念な事前準備を行い、アウトラインに沿って行うスピーチ
  3. Manuscript もしくは Memorized:事前に用意された原稿通りに行うスピーチ

そして、最も一般的なスピーチでもあるExtemporaneous Speech は更に2つのカテゴリニーに分類できます。

  1. Informative:その名の通り、情報の共有や提示、提供のみを目的とするスピーチ
  2. Persuasive:スピーチそのものに説得性を持たせ、聞き手の考え方や行動に影響を与えることを目的とするスピーチ

例えば下のトピック2つ、どちらが Informative で Persuasive かと言うと・・

  • 早朝ウォーキングの有用性を訴えて、聞き手の生活の一部に取り入れて欲しい
  • どうしようもなく退屈な日を瞬く間に楽しくする3つの要素を教えたい

1つ目は、Persuasive。2つ目が、Informativeです。こうやってみるとシンプルでわかりやすく思いますが、人って意外に自分の要求を排除するのは難しいもので、Informative に徹するつもりがいつの間にか何らかのの要求を聞き手にしてしまっていると言うことがよくあります。スピーチを組み立てる前にまず自分のスピーチの目的は Informする(知らせる)ことなのか Persuadeする(説得する)ことなのかはっきりしておくことが大事です。

ポイント!:スピーチの目的を明確にする - To inform? OR To persuade?

InformativeとPersuasive、どちらのパブリックスピーキングを行う場合でも、それぞれに適した構成パターンというのがあります。

  • Informative → Topical Organizational Pattern(トピカルパターン)
  • Persuasive → Moroe's Motivated Sequence(モンローズシークエンス)*他にも近い別の名前で紹介されている場合もあります。

もちろんスピーチやプレゼンを構成する方法はこれ以外にもありますが、シンプルで使い勝手が良く、またそれぞれのスピーチやプレゼンの目的を果たす上で最も効果的だと思うものを紹介しました。

次回はまずトピカルパターンについて細かく見ていきたいと思います。

 

参考:North, Marjorie L. "Fundamental of Public Speaking." Harvard Extension School, Cambridge. Aug. 2011 - Dec. 2011. Class

 

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パブリックスピーキングの準備を始める前に

オーディエンスについて知りましょう!

なぜ大事なのか?

私たちスピーカーに与えられる時間と場所は限られています。その限られた場や時間を最大限活かして、主張したいメッセージや情報を私たちの意図通りにより多くの人たちに理解してもらえるようにするために、オーディエンスの「聞き方」をより知っておく必要があります。そうすることで、メッセージ(主張)自体のアピール力が上がり、波及効果を向上していけます。

オーディエンスの「聞き方」を把握することはプレゼンやスピーチの準備をするときの:

  • ワードや表現チョイス
  • 情報量や詳細度
  • コンテンツの構成パターン
  • 主張ポイント
  • 声質や話すスピード
  • スライドの作り方

を決めるのに多いに役に立ちます。

オーディエンスの何を知る?

これくらいは知っておくと良いというものが:

  • オーディエンスの年齢層
  • 性別分布
  • 大学、病院、会社、研究機関などの所属組織
  • トピックに対する精通度
  • 教育レベル背景
  • 職業や役職
  • 主な出身国
  • 母国語

また、これ以外にも:

  • 参加予定人数
  • 会場の様子
  • イベントの開催意義や目的
  • スピーカーの人数:自分一人だけなのか他にもいるのか
  • 準備できる機器 など

自分のメッセージの浸透性に影響を与えそうな要素はすべて把握するくらいの勢いで知っておくことでスピーチやプレゼンの出来は大きく変わってきます。特に、オーディエンスのあなたのトピックに対する関心度の高さ、低さはスピーチやプレゼンを準備する際や当日の会場でアプローチする際に重要になってきます。

  • 関心度高い→客観性の高いいーディエンスも知らない新しい情報の提供と未来思考を基盤としてスピーチを組み立てる
  • 関心度低い→オーディエンスとの共感ポイントを探し、その共通項から共通項をつなぐ形でスピーチを組み立てる

オーディエンスの「聞き方」の違いを理解する:

スピーカーもしくは講演者の立場が優遇されがちな日本語スピーカーは特にこのポイントを忘れがちです。話し手側が「話してやってる」感覚を持ってることが少なからずあり、理解する努力をオーディンスに求めることを当然だと思うからです。「私の話が分からないのはそちら(オーディエンス)の知識不足・努力不足・学力不足などが原因だろう」と本気で思っている人もいるくらいです。

違います。

どんな「聞き方」のタイプの人たちが集まっていようと、その人たちの耳にまでしっかり届く形でメッセージを飛ばすことが最も波及効果を高めることになります。できるだけ取りこぼしがないように、異なる形をしている「聞き手」のパズル空き場所にパズルのピースを放り込んでは嵌めるような感覚です。英語ネイティブのオーディエンスには特にこれが顕著にあらわれます。英語スピーカーは普段から、情報というのは彼らにとって一番理解しやすいように調理された状態で届けられると思っています。これは日本語ネイティブにはない感覚です。この日本語スピーカーと英語スピーカーの認識の乖離はスピーチやプレゼンの準備をする段階で意識したいです。

 

 参考:North, Marjorie L. "Fundamental of Public Speaking." Harvard Extension School, Cambridge. Aug. 2011 - Dec. 2011. Class

 

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私が学んだ英語コミュニケーションのために本当に大切なこと

それはずばり、個々の言語が持つ独自の世界観、そしてその世界観からなる独自の言語感覚の存在を意識する、です。

当然と言えば当然ですが、英語は英語圏に最適化(米語は米語圏です)しています。もちろん、日本語は日本語圏に最適化しています。つまり、英語と日本語は全く異なる文化圏や歴史背景などの中で最もスムーズに効率良くコミュニケーションをとる方法として変化してきた言語だと言うことです。その事実を無視したままでは英単語を使ったとしても本当に「伝わる」「理解される」英語コミュニケーションは難しいです。

例えばこんな感じ・・

日本語:病院とかでよく見る注意喚起フレーズ

当病院で診察を希望される外国人患者の方へ:
受け入れ手続を円滑に完了するため、外国人患者の方には指定された医療コーディネーターの受け入れをお願いしています。

日本語英語:

For foreign patients who wish to have consultation and treatment at our hospital:
In order to smoothly complete all the formalities related to the acceptance of foreign patients, please accept the support of the medical coordinater we designate. 

英語:

For International Patients:
At XYZ Hospital, we request you to be paired with an international patient coordinator we assign and work together to access and receive medical care you need.

最初の文面、英単語を使ってはいますが、名詞の多さや主語の不明確さなどから日本語感満載です。言いたい事はなんとなく分かるなぁ、でも違和感あるなぁ、結局こう言う事だよね?となんとなく確認したくなるような文です。これは、受信者(メッセージを受け取る側)にとって呼吸をするような自然なコミュニケーションではなく、一瞬立ち止まって深呼吸を意識してするような感じです。つまり、普段より少しだけ努力を強いられるわけです。もちろんこれ一つだけであればたいした努力でもありませんし、気にする人も少ないでしょう。でも、これが例えば何十ページもあるような学術論文だったりプレゼンだったりした場合はそうはいきません。努力の連続で受信者側が疲れてしまいます。もしかしたら、もうそこで読むのもしくは聞くのを止めてしまうかもしれません。それでは身も蓋もありません。その時点で、もう相互コミュニケーションではなくなり、メッセージの発信者側が一方的に言葉を投げているだけになってしまいます。

さて、他方、2つ目の文面は、動詞力の高さに加えて意図の説明をしっかり添えていることから英語として「伝わる率」の高い英語表現です。誰が何を何のために主張しているのかわかりやすく、更に「アクション動詞」を用いる事で活動・動作内容を明確にしています。そうすることで受信者が内容を具体的にイメージし易いくなり多様性にも対応しています。この「動詞」なのか「名詞」なのかと言うのは日本語英語と英語の中で違いが最も現れる言語表現の一つです。

この様な英単語を用いた日本語は、英語ネイティブ受信者にとって理解しづらいため、日本語英語スピーカーの意図がしっかり伝わるかどうかは受信者の努力に依存する事になります。当然、受信者がどれくらい労力を費やしてくれるかまではコントロールできないため、自分の主張の伝達率はとても不安定なものになってしまいます。これではアピール力ガタ落ち、当然プレゼンスや影響力も低下していくでしょう。

これを防ぐためには、日本語スピーカーとは異なる英語スピーカーの認知プロセスを理解し、その違いからくるコミュニケーションスタイルの違いをテクニックとして学ぶことが大事です。日本語→日本語英語→英語のプロセスの中で最終表現が大きく変わっていきますが、最終的に出来上がった英語表現を自然な英語として受け入れられるようになります。当然、最終英語を日本語直訳にしてしまうと違和感ありまくりになります。

例えば、上の英語表現をそのまま日本語にすると:

「XYZ病院では、私たちは、あなた方が必要な医療へアクセスしそれを受けるために国際患者コーディネーターとペアになり協力することを求めます。」

になり、大変不自然です。これは日本語英語の逆で英語日本語と言うことになります。たぶん、日本語英語を読んだ時の英語スピーカーと同じような反応になるのではないでしょうか。違和感あるし不自然だけど2回(もしくは3回?)読めば分からないわけではない。

この様に、日本語英語が受信者に強いる「努力」をミニマイズし、同時に私たち日本語スピーカーの中に存在する「自然な英語」に対する違和感を払拭する事で、受信者にとっても発信者にとっても、楽で引っかかりのない英語コミュニケーションが可能になります。そしてその第一歩として、それほど異なるコミュニケーションスタイルを生み出す要因である英語スピーカーと日本語スピーカーの認知プロセスの違いを基盤とした「言語感覚」の相違を掘り下げていきたいと思います。

 

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